粘表皮癌と診断された肛門管癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Mucoepidermoid Carcinoma of the Anal Canal

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抄録

症例は66歳,男性.排便時出血,肛門痛を主訴に当院を受診した.腹部造影CT検査では肛門から下部直腸に60mm大の腫瘤を認め,右鼠径部にリンパ節腫脹も認めた.大腸内視鏡検査では肛門管に粘膜下腫瘍様の隆起を伴う潰瘍性病変を認め,生検にてGroup 5(粘表皮癌)であった.進行肛門管癌と診断し,外科にて右鼠径リンパ節廓清も含めた腹会陰式直腸切断術(D3郭清)を施行した.病理所見では肛門周囲皮膚から下部直腸にわたり粘膜下腫瘍様の隆起を伴う潰瘍性病変を認めており,肛門管癌mucoepidermoid carcinoma,pA,int,INFb,ly0,v1,pN2(5/24)と診断した.術後経過は良好であり,現在まで再発なく経過している.肛門管癌のうち粘表皮癌は非常に稀な組織型であり,本症例は興味深い形態も呈していたため,文献的考察を含めて報告する.

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参考文献 (16)*注記

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