放射線治療後45年で発症した小腸膀胱直腸膣瘻の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Ileo-vesico-recto-vaginal Fistula Presented Fourty-five Years after Radiotherapy
  • 症例 放射線治療後45年で発症した小腸膀胱直腸膣瘻の1例
  • ショウレイ ホウシャセン チリョウ ゴ 45ネン デ ハッショウ シタ ショウチョウ ボウコウ チョクチョウチツロウ ノ 1レイ

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説明

症例は81歳,女性.45年前に子宮頸癌に対して子宮全摘術と術後放射線治療の既往がある.当院泌尿器科にて膀胱直腸膣瘻による腎盂腎炎と診断され,経皮的腎瘻造設術と抗菌薬投与が行われた.全身状態改善後も膣からの消化液排泄がみられ,会陰部潰瘍による著明な疼痛のため歩行困難であった.経口摂取再開とADL改善を目的とし当科紹介となった.上部消化管造影後CTで小腸膀胱瘻も認め,小腸膀胱直腸膣瘻と診断し開腹術を施行した.骨盤腔内に複数のループを伴う強固な腸管癒着と放射性腸炎を認め,癒着腸管の剥離は損傷の危険が高いと判断し,腸管内容が瘻孔部を通過しないよう小腸by-pass術および横行結腸双孔式人工肛門造設術を施行した.消化管膣瘻は比較的稀な疾患であるが,その中でも小腸膣瘻は報告が少ない.難治性であることが多く外科的な治療が選択されることが多い.本症例について若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (8)*注記

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