完全内臓逆位に合併した直腸癌に対し腹腔鏡下低位前方切除を施行した1例

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  • Laparoscopic Lower Anterior Resection for a Patient with Situs Inversus Totalis

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抄録

症例は48歳,男性.幼少期より完全内臓逆位を指摘されていた.検診で便潜血反応陽性となり大腸内視鏡検査を施行,直腸Rb,後壁,20mm,0-IIa+IIc病変を認め,生検にてwell differentiated adenocarcinomaと診断された.超音波内視鏡検査ではSM軽度浸潤癌を疑う所見であり内視鏡的粘膜下層剥離術を施行したが,病理組織学的所見はSM高度浸潤癌であった.精査にてリンパ節転移や遠隔転移は認めず,追加治療として腹腔鏡下低位前方切除を行う方針とした.完全内臓逆位に対する腹腔鏡下手術の経験はないが,3D-CT angiographyによる血管走行の把握,手術動画の左右反転再生によるイメージトレーニングにより,安全に手術を完遂できた.完全内臓逆位に対する腹腔鏡下直腸癌手術の報告は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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