加令と肉芽組織ならびに胸腺の糖質コルチコイドに対する感受性

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  • Aging and sensitivity of rat granulation tissue and thymus to glucocorticoids
  • カレイ ト ニクガ ソシキ ナラビニ キョウセン ノ トウシツ コルチコイド

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抄録

1. いろいろな週令のラットの皮下にホルマリン浸漬濾紙を埋没して肉芽腫を生成させ, prednisolone acetateの作用に対する肉芽組織と胸腺の感受性の加令による変化を,肉芽腫の脱脂乾燥重量,胸腺の湿重量ならびにこれらの組織の電顕的形態を指標にして検索した.<br>2. 肉芽腫の生成量は,雄で6週令から12週令にかけて,加令に伴って増加したが, 12週令と20週令では差異はみられなかった.雌でも雄と同様の傾向がみられたが,どの週令とも雄の方が雌よりも肉芽腫の生成量が勝っていた.<br>3. 雌雄とも20週令では, 6および8週令に比べて, prednisolone acetateの肉芽腫生成抑制作用ならびに胸腺萎縮作用に対する感受性が劣っていた.<br>4. 組織重量からみて,雌雄ともprednisolone acetateの作用に対し,肉芽組織および胸腺は6~8週令では大差のない感受性を示し, 20週令では両組織の感受性はほとんど一致していた.<br>5. 肉芽組織および胸腺に著明な電顕形態学的変化をひき起こすのに必要なprednisolone acetateの用量は大体一致していた.<br>6. 以上の成績より,ラットの肉芽組織と胸腺は糖質コルチコイドに対してほぼ同程度の感受性を有し,これらの組織の感受性は加令に伴って低下することがわかった.

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