過敏性腸症候群診療ガイドラインの心身医学的インパクト

  • 福土 審
    東北大学病院心療内科 東北大学大学院医学系研究科行動医学

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of Psychosomatic Medicine on Clinical Practice Guideline for Irritable Bowel Syndrome
  • カビンセイ チョウ ショウコウグン シンリョウ ガイドライン ノ シンシン イガクテキ インパクト

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説明

<p>過敏性腸症候群 (irritable bowel syndrome : IBS) は, 大多数が心身症の病態を示す心身医学の代表的疾患である. IBSの公刊論文数の推移をみると, IBSの領域は現在明らかに活性化している. かかる動向の中にあって, 日本消化器病学会の提唱により, IBS診療ガイドラインを2014年に和文, 2015年に英文にて公刊した. エビデンスに基づく診療は個々の患者の治療反応性を完全に予測できるところまでには現在至っていない. しかし, 多数の患者を集積すればエビデンスの確率密度関数から実現値を高い確率で推定することは可能である. 診療ガイドラインの中のIBSのストレス応答, 心理的異常, 脳機能画像, 診療担当医の患者への心身医学的配慮, 食事療法, 抗うつ薬, 認知行動療法に代表される心理療法, 運動療法などは心身医学の重要性を数学的に証明している. IBSの診療ガイドラインの有用性は高く, それが実用に供されることを期待する.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 56 (10), 969-976, 2016

    一般社団法人 日本心身医学会

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