小児神経性無食欲症治療における養護教諭の役割

書誌事項

タイトル別名
  • Roles of Teachers in Charge of Health Education (School Nurses) in the Treatment of Childhood Onset Anorexia Nervosa
  • 臨床経験 小児神経性無食欲症治療における養護教諭の役割
  • リンショウ ケイケン ショウニ シンケイセイ ムショクヨクショウ チリョウ ニ オケル ヨウゴ キョウユ ノ ヤクワリ

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抄録

目的:小児神経性無食欲症(AN)の統合的治療において, 養護教諭の参加の効果と意義について検討することを目的とした. 対象, 方法:ANにて小児病棟へ入院となった家庭環境をマッチングさせた22例に対し, 養護教諭が関与した11例と関与しなかった11例の不登校, 再入院, 退院3年後の転帰について調べた. 結果:養護教諭が関与した場合は, 不登校は3例(27%), 再入院は0例, 転帰不良は1例(9.1%)であった. 養護教諭が関与しなかった場合では, 不登校は8例(73%), 再入院は6例(55%), 転帰不良は4例(36%)であった. 考察:養護教諭の役割として, (1)ANの発見, (2)受診の説得, (3)入院までの心身のサポート, (4)入院後の訪問学級との連絡, (5)カンファレンスへ出席し情報の交換, (6)入院中の行事, テスト参加への援助, (7)退院後のフォロー, (8)学校職員の間での病気の理解, 啓蒙, (9)一般生徒への啓蒙が挙げられた. 結論:チームの一員として養護教諭の存在は不可欠であった. 医療機関と学校の活動の基本は, 長期的な支援を可能とする連携システムを地道に築いていくことにある.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 44 (10), 783-791, 2004

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (21)*注記

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