社会のニーズに応えるために心身医療はどうあるべきか : 治療的自我の観点からの考察(パネルディスカッション : 社会のニーズに応えるために心身医療はどうあるべきか,2007年,第48回日本心身医学会総会(福岡))

書誌事項

タイトル別名
  • How should There by Psychosomatic Medicine to Meet Social Needs for Medical Care? : Consideration from The Viewpoint of Therapeutic Self(Panel Discussion : How should be the Psychosomatic Medicine to Respond the Social Needs)
  • 社会のニーズに応えるために心身医療はどうあるべきか--治療的自我の観点からの考察
  • シャカイ ノ ニーズ ニ コタエル タメニ シンシン イリョウ ワ ドウ アル ベキカ チリョウテキ ジガ ノ カンテン カラノ コウサツ

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抄録

最近は以前にも増して国民の医療に対する不信感は根深くなっている.ほぼ連日のように医師・医学研究者の行動が,マスコミで問題視されるが,その背景には治療的自我の欠落といった問題があるのではないかと思われる.治療的自我を考案したWatkinsは,治療的自我をdoing(どうすればいいか)とbeing (どうあればいいか)の2つの側面に分けて考え,beingのほうがより重要であると述べている.ところで,doingを向上させること(治療法などの進歩)は人類に幸せをもたらす.しかし,その研究に携わる者がbeingの面を顧みずにいると,問題行動が生じ患者に不利益をもたらす危険性がある.医学生・医療従事者は,治療的自我の重要性について,学習し認識する必要がある.社会のニーズ(患者の視点に立った,安全・安心で質の高い医療が受けられる体制が構築されること)に応えるためには,心身医療に携わる者が率先して治療的自我の重要性を医学生・医療従事者に啓蒙すること,および,患者-医療者関係の再構築を目指すことが重要である.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 48 (4), 269-274, 2008

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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