強い依存欲求を治療的に有効利用した疼痛性障害患者に対するチームアプローチ : 看護師による認知行動療法的観点から

書誌事項

タイトル別名
  • A Team Approach to Pain Disorder by Taking Advantage of the Patient's strong Desire for Dependence : From the stand Point of the Cognitive-Behavioral Approach by Nursing staff Members
  • 症例研究 強い依存欲求を治療的に有効利用した疼痛性障害患者に対するチームアプローチ--看護師による認知行動療法的観点から
  • ショウレイ ケンキュウ ツヨイ イソン ヨッキュウ オ チリョウテキ ニ ユウコウ リヨウシタ トウツウセイ ショウガイ カンジャ ニ タイスル チーム アプローチ カンゴシ ニ ヨル ニンチ コウドウ リョウホウテキ カンテン カラ

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抄録

疼痛性障害患者では疼痛を訴える行動(疼痛行動)が主要な問題となることがあり,その背景に多くは母親との葛藤からくる強い依存欲求が潜在している.病院では依存欲求の対象が看護師に向けられ,疼痛時のみ受容,共感すると疼痛行動を悪化させ,難治化の因子となる.看護教育では,症状時の受容,共感を重視することから,疼痛性障害患者の治療においては医療での二次的増悪が起こることが考えられる.今回,われわれは母親から存在を否定されてきた難治の疼痛性障害に対して,医師,看護師,臨床心理士の連携で,患者の依存欲求に対して適応的な行動を統一的に強化するように対処したことで,著明な行動面の改善を示した1例を経験した.疼痛性障害の看護においては,疼痛行動には中立的に対応し,擁護的な反応で疼痛行動を強化しない治療環境の設定が基礎となる.さらに,患者の心理社会的背景に根ざす看護師への強い依存欲求を有効利用し,定期的な対応で患者との良好な交流を促進して適応行動を強化する認知行動療法的アプローチが有用である.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 47 (5), 339-345, 2007

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (4)*注記

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