薬物乱用頭痛への心身医学的アプローチ

書誌事項

タイトル別名
  • A Psychosomatic Approach to Medication-Overuse Headache
  • ヤクブツ ランヨウ ズツウ エノ シンシン イガクテキ アプローチ

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説明

片頭痛などの頭痛に急性期治療薬を連用することによって引き起こされる薬物乱用頭痛の治療では,乱用薬物の中止が不可欠であるが,離脱1年目の再発率は38%,4年までは42%との報告があり再発防止が大きな課題である.今回,薬物乱用頭痛患者10名に生活指導や薬物療法などの身体医学的治療のみならず心身医学的アプローチを行ったので,その効果を報告し,治療戦略について考察する.心身医学療法として受容,支持,保証,セルフモニタリング,目標の明確化などを行った.10例のうち8例が離脱療法を導入でき,そのうち5例で1年以上の断薬を継続できている.離脱成功例は病態の理解と自発的な断薬の決心と実行ができたことが共通点だった.薬物乱用頭痛の治療にはディスカウント理論に基づいた気づき・理解・決心・実行の4段階の治療戦略と自発性を促す心身医学的アプローチが離脱療法の導入と再発防止に有効と考えられた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 47 (5), 317-324, 2007

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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