失体感症に関する研究の動向と今後の課題 : 文献的検討

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タイトル別名
  • Trends in Alexisomia Research and Future Problems : Literature Review
  • シツタイカンショウ ニ カンスル ケンキュウ ノ ドウコウ ト コンゴ ノ カダイ ブンケンテキ ケントウ

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抄録

失体感症は,心身症患者の特徴として池見酉次郎により提唱された概念であり,身体感覚への気づきが乏しい状態を指す.失体感症に関する研究は散見されるが,個々の身体疾患において,失体感症はどのような特徴として現れるのか,また病態をどう修飾するのかなど,いまだ不明な点が多い.そこで本研究では,失体感症に関するこれまでの研究を概観し,今後の課題について検討することを目的とした.これまでに出版された失体感症に関する論文17編を検討した結果,失体感症的特徴は,糖尿病,心筋梗塞,気管支喘息など,さまざまな身体疾患で観察されるものの,研究者によりその定義や評価方法は一貫していないことが明らかとなった.今後,失体感症に関する研究を押し進めていくためには,定義をより明確にし,標準化された評価尺度を開発していく必要がある.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (5), 376-383, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (33)*注記

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