機能性食道疾患診療の実際(<特集>心身医学と消化器症状)

書誌事項

タイトル別名
  • Practical Treatment for Patients with Functional Esophageal Disorders(<Special Issue>Psychosomatic Approach of Gastrointestinal Disorders)
  • 機能性食道疾患診療の実際
  • キノウセイ ショクドウ シッカン シンリョウ ノ ジッサイ

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抄録

機能性食道疾患の主症状は胸やけ,胸痛,嚥下障害であり,食道運動障害,胃食道逆流症(GERD),食道由来の非心臓性胸痛(NCCP)がその主体をなすが,互いにオーバーラップしている.診断としてまず上部消化管の器質的疾患や代謝性疾患,虚血性心疾患を除外したうえで,食道造影や食道内圧検査,食道24時間pHモニタリング,食道知覚検査が必要である.機能性食道疾患においてもRome III基準の分類は実際の臨床では使用しにくい面が多く,ディスペプシアを食道を含む上部消化管の機能性疾患の総括的な症状名として広義にとらえたほうが臨床的にも,心身医学的にも有用と思われる.機能性消化管疾患の治療は多くが経験的なものであるが,心理社会的因子の関与,疾病行動,消化器症状の"意味"を考慮して取り組むことが望まれる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 50 (10), 923-930, 2010

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (32)*注記

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