大学生の摂食態度について : EAT-26の意味するもの

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タイトル別名
  • Eating Attitudes of College Students
  • ダイガクセイ ノ セッショク タイド ニ ツイテ : EAT-26 ノ イミ スル モノ

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説明

目的:大学生の摂食態度について摂食態度調査票(EAT-26)を用いて把握し,男女差,近年の変化の有無,EAT-26高得点の背景や危険因子について検討する.方法:対象は,2002年大学新入生2,564名(男子1,458名,女子1,106名)と2010年大学新入生2,552名(男子1,556名,女子996名)である.大学新入生の健康診断時にEAT-26,抑うつ評価尺度(SDS),ストレス対処行動調査票(CISS)を用いて調査した.さらに2002年と2010年の調査を比較検討した.結果:EAT-26の高得点者は2002年で男子13名(0.9%),女子21名(1.9%)であった.2010年では,男子10名(0.7%),女子20名(2.0%)であった.2010年で若干女子のEAT-26高得点者が増加していた.両年とも,EAT-26高得点者の割合は女子のほうが高かった.2002年で高得点者は男子でCISSの回避優先対処と情緒優先対処が,女子でSDSとCISSの情緒優先対処が有意に高かった.2010年では男子でSDSが,女子でCISSの情緒優先対処が有意に高いという結果であった.しかしながら,EAT-26高得点者の面接により摂食障害と診断された者は男子16.6%,女子20%と少なかった.結論:摂食態度の異常と抑うつや非適応的なストレス対処行動との関連性が示唆され,抑うつや非適応的ストレス対処行動はリスク因子として疑われた.しかし,EAT-26高得点者で摂食障害と診断された者は少なく,摂食障害のスクリーニングとして単独で使用することには問題があると思われた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 53 (2), 157-164, 2013

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (27)*注記

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