桐油を基質とする血清膵リパーゼの簡易測定法

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  • A Simple Lipase Assay Procedure Using Tung Oil as a Substrate and Its Application to Serum Lipase Assay

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説明

桐油は,その構成脂肪酸の76%がエレオステアリン酸(Δ9, 11, 13 C18: 3)であり,グリセロールのα,β,α'位に均等に分布する。この脂肪酸は,波長275nm付近に吸収極大を持つので,桐油をリパーゼ活性測定の基質として用い,リパーゼによって遊離する脂肪酸を有機溶媒で分離し,275nmでの吸光度を測定することによりリパーゼ活性を測定した。反応系にドデシル硫酸ナトリウムとタウロデオキシコール酸ナトリウムを加えることにより,検体血清量25μl以下で血清リパーゼ活性の測定が可能であり,現在,検査室で広く使われているBALB法とは良好な相関関係が得られた。本法は,基質に天然脂肪を用いるので他のエステラーゼ類による誤差を考える必要はなく,BALB法で測定困難な高活性領域でも測定でき,さらに乳糜血清についての活性測定も可能であった。

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