拒絶に対する過敏性がうつ症状の経時的変化に及ぼす影響の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Influences of Rejection Sensitivity in Course of Depressive Symptoms
  • キョゼツ ニ タイスル カビンセイ ガ ウツ ショウジョウ ノ ケイジテキ ヘンカ ニ オヨボス エイキョウ ノ ケントウ

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抄録

本研究の目的は,うつ病患者の拒絶に対する過敏性のうちどの特徴が同時点のうつ症状,およびうつ症状の変化を予測するかについて明らかにすることであった.外来うつ病患者27名を対象に,6カ月の間隔を空けて2度の質問紙調査を実施し,拒絶に対する過敏性とうつ症状を測定した.分析の結果,同時点に測定されたうつ症状は,拒絶に対する過敏性のうち「他者を傷つける不安による非主張性」以外のすべてと関連を示したが,うつ症状の変化は「他者を傷つける不安による非主張性」および「他者評価追従」と関連を示した.これらの結果から,ある一時点におけるうつ症状は,他者から拒絶されることを恐れる認知と特に関連を示すが,その後のうつ症状の変化は,拒絶されることを避けるための行動を選択するかどうかによって変わってくる可能性が示された.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (9), 1047-1054, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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