摂食障害の世代間の相違と摂食障害の精神病理(多角的視点から捉えた新たな摂食障害像追求の試み,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))

書誌事項

タイトル別名
  • Generational Differences of Eating Disorders and Their Psychopathology(Novelty Clinical Features of Eating Disorders-Research Trials from a Multifaceted Perspective-)
  • 摂食障害の世代間の相違と摂食障害の精神病理
  • セッショク ショウガイ ノ セダイ カン ノ ソウイ ト セッショク ショウガイ ノ セイシン ビョウリ

この論文をさがす

抄録

現在の摂食障害の病態は非定型化し浮動的なものに変化している.そこで世代別の摂食障害患者症例の病態を比較検討し世代間の差を求めたい.目的:摂食障害入院症例の中で10〜60代各症例の病態に精神病理学的検討を加える.対象および方法:2012年1〜12月末日までに当院に入院となったDSM-IV-TRの摂食障害の診断基準に適合する症例で,10〜60代の症例を抽出し特性を評価検討した.結果:全女性症例10例を抽出した.初発年齢はほとんどが10代,症状変遷はすべてが神経性無食欲症・制限型で発症し,4例が制限型のままであり,5例がむちゃ食い排出型に移行し,1例が鑑別不能型に移行した.神経性無食欲症・むちゃ食い排出型は入院回数が多く,罹病期間は長期化していた.考察:現代女性の置かれたさまざまなストレス状況を背景に摂食障害が現れていた.慢性症例は「身体への自閉」と考えられ,症状変化の促しが病態の悪化と関連する事例を認めた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 54 (10), 916-921, 2014

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ