躁うつ病の薬物療法における生物学的指標の研究

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  • Rational Pharmachotherapy for Affective Disorders : Antidepressants and Their Effects on Biological Markers

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抄録

未治療および2週間以上抗うつ薬を服用していない22例のうつ病患者にアミトリプチリンないしミアンセリンを投与し,臨床症状の改善と生物学的指標(DST,抗うつ薬血中濃度,血漿freeおよびtotal MHPGレベル,CV_<r-r>)の経時的変化について検討した。両薬剤投与群の臨床症状改善率に有意差はなかった。両薬剤とも血中濃度と投与量の間に有意な相関が有り,drug complianceの指標となりえた。薬剤投与7日間以内に施行したDSTでは13.6%が無抑制となった。投与開始4週後に施行したDSTの結果から,DSTはstate dependent markerであることが示唆された。CV_<r-r>は抗コリン作用の影響を反映する指標として有用であった。血漿free MHPGレベルの変化からほぼ両薬剤の薬理作用を反映した結果が得られた。これら多次元的な生物学的指標の研究はうつ病の病態把握のためにも必要と考える。

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