老年期における口腔内アメニティと身体・精神状態との関連

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タイトル別名
  • The Relationship between the Amenity in Oral Cavity and Psychological or Physical State in the Aged

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抄録

老年期における生活の質(Quality of Life : QOL)を高めるためには,口腔内状況を機能的に快適に保つ事,すなわち口腔内アメニティの向上をはかる事が重要な要素の一つであると考えられる。そこで施設内に居住する老人を対象に口腔内アメニティ(摂食時の口腔内の快適さ,義歯の装着状況の良否等)の現状と身体・精神状態について面接ききとり調査を行ない,同時に健康管理記録に記載されている肺活量と血圧値との関連について検討を試みた。男性は例数が少なく参考資料としたが,女性では咀嚼能力や食生活が充実している者に肺活量や血圧値の成績が良好で,「健康である」と感じている者が多かった。また咀嚼能力や義歯装着状況が良好な状態の者は,不安度が低い傾向にあった。以上のことから,8020運動による歯牙喪失の予防は意義あることであるが,喪失歯が多い場合でも義歯装着状態を良好に維持し,残存歯の機能の保持に努める事等を積極的に進めることが老人の身体・精神保健において重要であると考えられた。

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