両側腎皮質壊死の病理 : 妊娠・分娩が関与しない本症 2 剖検例の報告特にその発生機序についての考察

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タイトル別名
  • Pathology of Bilateral Renal Cortical Necrosis : Report of Two Autopsy Cases not Associated with Pregnancy or Labour and in Special Reference to Pathogenesis
  • リョウソク ジン ヒシツ エシ ノ ビョウリ ニンシン ブンベン ガ カンヨシ

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抄録

両側腎皮質壊死は, 腎臓をはじめ全身諸臓器の微小循環系にフィブリン血栓を形成し, 両側腎皮質に広範な壊死を生ずる疾患で, 動物の全身性Shwartzman反応と同義に解されている。両側腎皮質壊死は, 妊娠・分娩に関連して起こるものが多いが, 著者達は, 妊娠・分娩が関与しない本症2剖検例を報告し, あわせて全身性Shwartzman反応とDICとの関連, および腎皮質壊死の発生機序について考察した。第1例は大腿骨骨折後の急性腎盂腎炎より, また第2例は消化管の外科手術後の急性線維素化膿性胸腹膜炎に基く, 全身性Shwartzman反応によって発症したものである。自験例の血栓は古いものではなく, 細菌内毒素による腎内血管の攣縮に基く皮質壊死に続発して形成されたものと思われ, 両側腎皮質壊死をDICに含括する意見には賛成できない。

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