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- 服部 和幸
- 杏林大学医学部整形外科学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study of Thigh Pain Following Cementless Total Hip Arthroplasty
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説明
セメントレス人工股関節置換術(以下, THA)後における大腿部痛の原因は未だ不明である。そこで術後平均4年経過した80例84関節のセメントレスTHAを対象にその臨床的因子,画像所見を検討した。使用機種は,近位固定型(以下, PF),遠位固定型(以下, DF)である。大腿部痛は29.8%に発生し,そのうち97.6%が術後2年までに消失したが,平均持続期間はPFよりDFの方が長かった。臨床的にはFAI自己評価法で大腿部痛群は非大腿部痛群より有意差は認めなかったが,活動性が高かった。コンスタントに長時間負荷が加わる動作(買い物, 15分以上の野外歩行)を繰り返している症例ほど大腿部痛は生じやすい。したがって力学的負荷の時間的要素が関係すると考えられた。画像上,大腿部痛は早期にステム近位が固定された症例には無く,遠位でのFemoral sclerosisがある例に有意に多くみられ, micromovementに因ると考えられた。大腿部痛の防止には術後2年間の生活指導,特に力学的負荷はその内容を指導することが重要である。ステムは術後早期に大腿骨近位部で固定されるタイプを使用することが必要である。
収録刊行物
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- 杏林医学会雑誌
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杏林医学会雑誌 32 (4), 397-407, 2001
杏林医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204899035648
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- NII論文ID
- 110007376127
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- NII書誌ID
- AN00062945
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- ISSN
- 1349886X
- 03685829
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可