日本語話者児童の読み困難における二重障害仮説の適用

  • 澁谷 文恵
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 宇野 彰
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Adaptation of Double-Deficit Hypothesis to Reading Difficulty in Japanese-Speaking Children
  • ―小学3年生を対象として―

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説明

<p>二重障害仮説(Wolf and Bowers,1999)は,発達性読み書き障害の原因となる認知障害として,音韻認識障害に加えて呼称速度障害も重要であるとする仮説である.また,音韻認識単独障害群や呼称速度単独障害群と比較して,どちらの障害も併せもつ二重障害群は読みの成績が最も低いと報告されている.本研究では,公立小学校通常学級に通う日本語話者の小学3年生94名を対象に,二重障害仮説が適用されるかどうか検討した.同じ小学3年生を対象とした英語圏でのSunseth and Bowers(2002)およびドイツ語圏のWimmerら(2000)と同じ基準を用いて分類した.その結果,どちらの基準を用いても日本語話者小学3年生は二重障害仮説に基づく下位分類群に分類可能だったが,二重障害群は単独障害群と比べて必ずしも重い群ではなく,二重障害仮説は一部においてのみ適用が可能であると思われた.</p>

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