Endocrine disrupters と毒性学 : 内分泌系攪乱作用の検出・評価のための試験法

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タイトル別名
  • Endocrine disruptersとの毒性学--内分泌系攪乱作用の検出・評価のための試験法
  • Endocrine disrupters ト ノ ドクセイガク ナイブンピケイ
  • [Endocrine disrupters and toxicology--tests for detection and evaluation of endocrine disrutptive actions].

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抄録

内分泌系攪乱作用の検出・評価のために, 標準的な試験方法の必要性が多くの国際会議やワークショップにおいて論じられている。本稿では内分泌系攪乱物質(EDs)試験法の開発に関し, OECDや米国EPA主催の関連会議での検討状況を紹介する。また, 標準的試験方法の有力な候補と考えられる一部の試験法について, 我々の若干の検討結果を交えて解説するとともに, これら試験法の今後の検討課題についても述べる。OECDは昨年4月に性ホルモンに限定したEDsの検出・評価法に関して膨大な総説案を作成した。これまでに公表されている多くの試験法について解説し, それを踏まえた上でEDsの検出力向上案として, 既存のin vivoガイドライン試験の改訂, 短期in vivoスクリーニング試験の適用, 今後の検討課題などをまとめた。さらに昨年12月には, "EDsを検出するにはin vivo試験の実施が必須である"との考えに基づき, EDsを検出するin vivoスクリーニング試験法を開発する目的で, まず既存ガイドライン試験(OECD 407:28日間反復投与毒性試験)を改良することを提案した。一方, 米国ではEPA・国立研究所・産業界の多くの専門家で構成する諮問委員会EDSTAC会議を定期的に開催し, このなかで, EDs検出のための試験法についてTier方式の評価が提案されている。Tier 1はin vitroとin vivoのコンビネーションによるスクリーニングであり, 内分泌攪乱作用のポテンシャルの検出のための試験である。このTier 1試験で陽性・擬陽性であった化合物について, さらにTier 2試験として2世代繁殖性試験などの実施を提案しており, 各種影響の用量相関性などを基にリスク評価を行うとしている。EDs検出試験法は現在非常に多くの試験法が提案されているが, そのうちのどの試験法および測定項目を標準的なものとして選択するのかが大きな課題であり, さらに精力的な研究が望まれる。

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