外転型痙攣性発声障害における語頭無声子音を含むモーラ/ta/におけるVOT値

  • 柳田 早織
    北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科 北海道医療大学病院言語聴覚治療室
  • 西澤 典子
    北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科 北海道医療大学病院耳鼻咽喉科
  • 目須田 康
    北海道医療大学病院耳鼻咽喉科 北海道医療大学個体差医療科学センター耳鼻咽喉科学系

書誌事項

タイトル別名
  • Voice Onset Time for the Word-Initial Voiceless Consonant /ta/ in Abductor Spasmodic Dysphonia
  • —A Comparison with Normal Controls—
  • ─健常者との比較─

説明

目的:痙攣性発声障害(以下,SD)は,いわゆる機能性音声障害との鑑別等,独立した音声疾患としての定義がいまだ確立しているとはいえず,その重症度・治療効果に関する標準的な評価法は確立されていない.そこで,われわれはSDの音声症状である間欠的な声の途切れを定量的に評価し,その特徴を明らかにした.<br>方法:対象は外転型SD 8例と健常成人10例とした.「北風と太陽」の文章音読中に3回出現し,条件が異なる(1:句読点なし,2:読点あり,3:句点あり)語頭無声子音を含むモーラ/ta/におけるVOTとその直前の音節での無音区間長を計測した.<br>結果:読点あり,句点ありの条件下では,外転型SD例でVOTが有意に延長していた.<br>結論:外転型SD例のなかには,句読点の有無(無音区間長の違い)によってVOTが変動する例が存在することが明らかになった.無音区間長を考慮したVOTの計測は,SDの音声症状を定量化するにあたり,有用である可能性が示唆された.

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204902086528
  • NII論文ID
    130002136711
  • DOI
    10.5112/jjlp.53.329
  • ISSN
    18843646
    00302813
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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