抗GAD抗体強陽性が短期間で陰性化し,インスリン非依存状態にとどまっている糖尿病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetes Mellitus, in Whom Anti-GAD AntibodyTurned into Negative within 2 Years of Period, Remaining Still Non-insulin Dependent
  • 症例報告 抗GAD抗体強陽性が短期間で陰性化し,インスリン非依存状態にとどまっている糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク コウGAD コウタイ キョウ ヨウセイ ガ タンキカン デ インセイカ シ インスリン ヒイゾン ジョウタイ ニ トドマッテ イル トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は24歳の女性.22歳で高血糖を指摘され,抗GAD抗体強陽性(3.854 U/ml),インスリン分泌能の低下から1型糖尿病と診断された.インスリン療法を開始後3カ月で自己中断したが,歯性上顎洞炎を契機に再開するまで約1年3カ月の間,急性合併症を起こさなかった.2年後,妊娠を契機に精査したところ,抗GAD抗体は陰性で,インスリン非依存状態であった.分娩後も同様の結果であった.本症例のHLAハプロタイプは,DRB1*1502-DQB1*0601ホモと疾患抵抗性であり,このことが特異な経過に関連すると考えられた.糖尿病の病型診断を考える上でも興味深い症例と考え,報告する.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (9), 717-721, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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