CSIIにより良好な血糖コントロールを得た膵全摘後の膵性糖尿病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Improved Glycemic Control in a Pancreatic Diabetic Patient after Total Pancreatectomy with CSII
  • 症例報告 CS2により良好な血糖コントロールを得た膵全摘後の膵性糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク CS2 ニ ヨリ リョウコウナ ケットウ コントロール オ エタ スイ ゼンテキゴ ノ スイセイ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は47歳,男性.膵嚢胞性腫瘍の精査中に急変し緊急に膵全摘術が施行された.術後,就寝前に中間型インスリンを用いたインスリン頻回注射療法(multiple daily injection: MDI)を開始したが深夜に低血糖発作が頻発したため,インスリン持続皮下注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion: CSII)を導入した.導入後,深夜の低血糖発作は消失したが,このときの基礎注入(Basal)は0時から7時まで0.1 U/hと極めて少量であった.また追加注入(Bolus)については,カーボカウンティングに基づくMeal Bolus, 随時の高血糖に対するCorrection Bolusを的確に行うことにより1日を通じて血糖値が安定した.CSII導入1年後においてもHbA1cは5.8%未満であり,血糖値の日内変動の指標であるM値も良好な値を維持している.CSIIは血糖変動の激しい膵性糖尿病にとって有用なツールになりうると考えた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 51 (2), 121-124, 2008

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (15)*注記

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