2型糖尿病患者における頸動脈内膜中膜厚と64列冠動脈multidetector computed tomographyでの冠動脈病変の関係

書誌事項

タイトル別名
  • Association of Intima-media Complex Thickness with Coronary Artery Stenosis Assessed by 64-slice Multidetector Computed Tomography
  • [日本糖尿病学会]第80回中部地方会推薦 2型糖尿病患者における頸動脈内膜中膜厚と64列冠動脈multidetector computed tomographyでの冠動脈病変の関係
  • ニホン トウニョウビョウ ガッカイ ダイ80カイ チュウブ チホウカイ スイセン 2ガタ トウニョウビョウ カンジャ ニ オケル ケイドウミャク ナイ マク チュウ マクアツ ト 64レツ カンドウミャク multidetector computed tomography デ ノ カンドウミャク ビョウヘン ノ カンケイ

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抄録

糖尿病は冠動脈疾患のrisk factorであることが明らかであり,特に他の動脈硬化病変を有する患者は冠動脈疾患を合併する確率が高いとされている.近年冠動脈の評価方法として冠動脈Multidetector Computed Tomography(MDCT)が実用化された.今回我々は教育入院中の2型糖尿病患者140名に64列冠動脈MDCTおよび頸動脈エコーを行い,頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(intima-media thickness, IMT)肥厚などの頸動脈病変と冠動脈病変の関連および冠動脈MDCTの有用性やその適応について検討を行った.64列冠動脈MDCTで冠動脈異常を認めた患者が71名(50.7%)と高率に認められ,全員が無症状であった.11年以上の罹病期間を持つ群や高血圧を有する群,brachial-ankle pulse wave velocity(baPWV)が1600 m/sを超える群,max IMTが0.9 mm以上の群,頸動脈エコーでプラークを認めた群はそうでない群に比べ冠動脈異常を認めた患者が多かった.冠動脈異常を認めた群は異常を認めなかった群と比べmax IMTは有意に肥厚していた(0.909±0.222 mm vs 0.775±0.246 mm, p<0.01).2型糖尿病患者は無症候であっても,冠動脈MDCTで異常を呈する患者が高率に存在することが示唆された.特にmaxIMTが肥厚している患者では異常を呈する率が高く,冠動脈MDCTはスクリーニングに有用であると考えられた.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 54 (3), 175-182, 2011

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (16)*注記

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