チアマゾール投与により発症したと考えられるインスリン自己免疫症候群の1例

Bibliographic Information

Other Title
  • ショウレイ ホウコク チアマゾール トウヨ ニ ヨリ ハッショウ シタ ト カンガエラレル インスリン ジコ メンエキ ショウコウグン ノ 1レイ

Search this article

Description

症例は71歳の女性で, 1999年よりプランマー病と診断されるも, 甲状腺機能異常は認めずβプロッカ-のみで治療されていたが, 2001年8月より甲状腺機能亢進症が出現し, バセドウ病の合併 (Marine-Lenhart症候群) と診断した.チアマゾール (以下MMIと略す) による治療を開始するも肝障害が出現したため入院した.肝機能障害の精査中に高インスリン血症 (IRI 82-4μU/ml, CPR 2.18ng/ml, IRI/CPRモル比0.79) の存在が確認され, 75gOGTT 2時間後でIRIは最大1, 785μU/mlまで上昇し, 3時間後には低血糖 (28mg/dl) を認めた.インスリン負荷試験で感受性は正常, インスリンレセプター抗体は陰性, インスリン抗体は7396と高値であった.HLAタイプはクラスIIのDR4, HLA-DR遺伝子解析ではDRB 1*0406であり, インスリン注射歴がないことよりインスリン自己免疫症候群 (以後IASと略す) と診断した.プロピルチオウラシルに変更後は肝機能は正常化し, 低血糖症状も認めずインスリン抗体価の低下も認められた.-ASはその発症にSH基を有する薬剤の関与が指摘されており, MMI服用により発症したと考えられるIASを経験したので報告した.

Journal

Citations (1)*help

See more

References(9)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top