糖尿病罹病期間30年で集学的治療にて寛解した糖尿病性腎症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Remission of Nephropathy due to Multifactorial Treatment in a Patient with Long-Standing Diabetes of over 30 Years' Duration
  • 症例報告 糖尿病罹病期間30年で集学的治療にて寛解した糖尿病性腎症の1例
  • ショウレイ ホウコク トウニョウビョウ リビョウ キカン 30ネン デ シュウガクテキ チリョウ ニテ カンカイシタ トウニョウビョウセイ ジンショウ ノ 1レイ

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説明

症例は73歳男性で糖尿病罹病期間は約30年.1999年から尿タンパク陽性を指摘.2002年1月に尿中アルブミン1604 mg/gCreであり,その後他院の腎臓内科に下腿浮腫で入院時,尿蛋白1.2 g/日,24 hrCcr 68 ml/分であった.血糖は経口薬内服するもコントロール不良,血圧もアンジオテンシン受容体拮抗薬でコントロール不良であり,同年10月当院を紹介される.このとき随時尿の尿中アルブミンは773 mg/gCre, 神経障害,増殖網膜症も合併.2003年5月急性心筋梗塞発症.入院時,尿中アルブミン167 mg/gCre, 24 hrCcr 71 ml/分.インスリン治療を導入し,降圧薬の増量,抗血小板薬やスタチンも開始となる.退院後,血糖コントロールはHbA1c 7%前後で経過.1年後に尿中アルブミンは約50 mg/gCre, 2年後には12 mg/gCreに減少した.糖尿病罹病期間が長く,その他の合併症があっても,集学的治療で腎症の3期から1期への寛解がみられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (3), 197-202, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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