ネフローゼ症候群を呈した糖尿病性腎症に代謝性アルカローシスを合併した一例

  • 戎井 理
    静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター
  • 井上 達秀
    静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター
  • 三橋 順子
    静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター
  • 榎本 哲也
    静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター
  • 佐古 伊康
    静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Type 2 Diabetes Mellitus with Nephrotic Syndrome and Metabolic Alkalosis
  • 症例報告 ネフローゼ症候群を呈した糖尿病性腎症に代謝性アルカローシスを合併した1例
  • ショウレイ ホウコク ネフローゼ ショウコウグン オ テイシタ トウニョウビョウセイジンショウ ニ タイシャセイ アルカローシス オ ガッペイ シタ 1レイ

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抄録

症例は50歳, 男性. 7年前に糖尿病を指摘され, 2週間前に右足に熱傷を受傷, 全身浮腫が出現し受傷部が壊疽化したため入院した. WBC 21000/μl, CRP 20.7mg/dl, Alb 1.5g/dl, BUN 12mg/dl, Cr 0.6mg/dl, 尿中蛋白質12.5g/日とネフローゼ症候群を呈していた. 抗生物質とアルブミン製剤の点滴にて治療し, 炎症所見および浮腫が軽快した後, 右下腿切断術を施行した. 術翌日にABG (経鼻1L O2) : pH 7.50, pCO2 56.2toor, pO2 97.5torr, HCO3- 43.8mmol/l, BE 20.2mmol/l となった. 代謝性アルカローシスと判断し, アミノ酸製剤を投与, アルカローシスと高炭酸ガス血症は次第に軽快した. この症例の代謝性アルカローシスは, 体液量が減少した際に, 相対的にHCO3-が体内に残されたために生じた濃縮性アルカローシスと考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 48 (2), 97-101, 2005

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (8)*注記

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