インスリン自己注射手技とNPHおよび混合型インスリン製剤の白濁沈殿時間との関係  インスリン製剤の注射前沈殿防止とその手技指導についての考察

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  • インスリン製剤の注射前沈殿防止とその手技指導についての考察

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NPHインスリンおよび混合型インスリン製剤使用は長時間放置した場合, 白濁液が沈殿してしまうため, 注射前の混和が必要である. そこで注射前の混和後, インスリン製剤を静止して何分でインスリンの白濁液が沈殿するかを検討した. その結果, 沈殿は2.5分前後で始まり, 5分後には有意に白濁沈殿面が降下していた. 患者のインスリン自己注射の実態調査では, 多くの場合, 振盪から注射までの時間は2分以内であった, また, 慣れることである程度の振盪から注射までの経過時間が短縮することも確認できた. しかし, 高齢者では経過時間が長くなる傾向があった. そのため, 振盪実施の呼びかけに力口えて, 経過時間を意識する指導が必要と思われる. 結論として, 確実なインスリン含有均一性を保つ方法として, 振盪を操作のどの段階に行ったとしても, 注射直前にも振盪したほうが望ましい. したがって, 模範的指導法としては「注射直前に振盪する」ことを指導したほうがよいと考えられる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 43 (10), 887-891, 2000

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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参考文献 (12)*注記

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