糖尿病患者の喫煙状況と心理的背景

書誌事項

タイトル別名
  • Smoking and Depression in Diabetic Patients
  • トウニョウビョウ カンジャ ノ キツエン ジョウキョウ ト シンリテキ ハイケイ

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抄録

糖尿病症例はストレスやうつ症状を呈することが多いために禁煙できない可能性がある.今回,喫煙状況と心理状態との関連,ならびに禁煙による心理状態の変化を検討した.69歳以下の糖尿病133例を喫煙群,禁煙群,非喫煙群の3群に分け,心理状態や生活習慣を調査した(断面研究).心理的負担をPAID (the Problem Areas in Diabetes), うつ状態の評価にZungの自己評価抑うつ尺度を用いたが,3群間でPAID, Zungに差を認めなかった.しかしながら喫煙群では禁煙群,非喫煙群に比しHbA1cが高値であり運動を行っている例が少なかったため,糖尿病入院例で禁煙教室受講12例をフォローし,禁煙の成否と心理状態の変化および生活習慣の影響を検討した(介入研究).12例中6例が半年後も禁煙していた.禁煙成功例ではPAIDが43点から31点に改善し,全例運動を継続していた.禁煙することが糖尿病の治療の心理的負担の軽減にもつながると考えられ,その実践には運動が重要であると考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (11), 785-790, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (19)*注記

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