意識障害にて入院中に発症したと考えられる劇症1型糖尿病の1例

  • 三宅 敦子
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)
  • 山口 実菜
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)
  • 杉山 美帆
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)
  • 神山 隆治
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)
  • 泉山 肇
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)
  • 入岡 隆
    東京医科歯科大学大学院脳神経病態学(神経内科)
  • 水澤 英洋
    東京医科歯科大学大学院脳神経病態学(神経内科)
  • 平田 結喜緒
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・代謝内科)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Hospital-acquired Fulminant Type 1 Diabetes Mellitus
  • 症例報告 意識障害にて入院中に発症したと考えられる劇症1型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク イシキ ショウガイ ニテ ニュウイン チュウ ニ ハッショウ シタ ト カンガエラレル ゲキショウ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は71歳女性.C型肝炎精査目的に当院を紹介受診した2日後に,発熱・意識障害で入院.初診時の随時血糖(92 mg/dl)・HbA1c(4.9%,以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467,2010))および入院時の随時血糖(85 mg/dl)は正常.入院時に高アミラーゼ血症(858 U/l)を認めた.第5病日に意識レベル低下のため検査したところ,著明な高血糖(890 mg/dl)および代謝性アシドーシスを認め,尿ケトンが陽性.糖尿病性ケトアシドーシスと診断,インスリン治療にて意識障害は改善した.内因性インスリン分泌の枯渇,および膵外分泌酵素の上昇を認め,膵島関連自己抗体はいずれも陰性.以上より劇症1型糖尿病と診断した.発症前後のペア血清で各種ウイルス抗体価を測定するも有意な上昇なく,発症の原因は特定できなかった.入院中に発症し,発症前後の臨床経過を観察しえた貴重な劇症1型糖尿病の症例であり,本症例とこれまで当施設,関連施設で経験した劇症1型糖尿病(11例)との臨床的特徴も合わせて比較検討した.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 54 (2), 107-111, 2011

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ