腫瘍摘出後に低血糖を繰り返した褐色細胞腫の一例

  • 西澤 麻依子
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 杉山 美帆
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 山口 実菜
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 飯降 直男
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 関澤 直子
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 三原 正朋
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 神山 隆治
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 泉山 肇
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 吉本 貴宣
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 堀内 敏行
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)
  • 平田 結喜緒
    東京医科歯科大学大学院分子内分泌内科学(内分泌・糖尿病・代謝内科)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pheochromocytoma with Postoperative Repeated Hypoglycemia
  • 症例報告 腫瘍摘出後に低血糖を繰り返した褐色細胞腫の一例
  • ショウレイ ホウコク シュヨウ テキシュツ ゴ ニ テイケットウ オ クリカエシタ カッショク サイボウ シュ ノ イチレイ

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抄録

症例は37歳女性.左副腎褐色細胞腫摘出術を施行し,術後ICU入室後に著明な低血糖(16 mg/dl)を認めた.ブドウ糖静注したが低血糖を繰り返し,ブドウ糖液持続静注により血糖は安定した.低血糖時(40 mg/dl)に高インスリン血症(29.4 μU/ml)を認めた.術後6日目より食事開始に伴いブドウ糖持続静注を漸減,中止したが,低血糖発作は認めなかった.褐色細胞腫術後に稀に低血糖を起こすことがあり,その機序としてカテコラミン分泌過剰によるインスリン分泌の抑制が,腫瘍摘出直後に解除され,インスリンの「反跳性分泌」が生じたと推定されている.特に褐色細胞腫でもアドレナリン優位分泌型の症例で術後低血糖を引き起こす可能性が示唆された.術後低血糖は腫瘍摘出後2~4時間で認めることが多いため,腫瘍摘出後は頻回に血糖モニターを行うことが重要である.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 54 (2), 112-116, 2011

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (12)*注記

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