選択的動脈内カルシウム負荷試験が診断に有用であったインスリノーマの1例

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抄録

症例は43歳女性. 32歳頃より空腹時, 疲れたときなどに全身倦怠感・複視・口唇のシビレなどの症状があった. 33歳時意識消失発作をきたし, この時血糖58mg/dlで低血糖の可能性を指摘された, 低血糖の原因について近医で75gOGTT, 下垂体・副腎系機能検査, 下垂体MRI, 腹部エコー, 腹部CTさらには腹部血管造影も施行された. しかし明らかな異常は認めなかった. 40歳時, インスリノーマを疑い当院外科にて再度腹部血管造影及び経皮経肝門脈力テーテル検査 (PTPC) を行うも診断に至らず. 43歳時, 各種負荷試験の結果, やはりインスリノーマが疑われるため, 再々度腹部血管造影を行い, この時選択的動脈内力ルシウム負荷試験 (ASVS) を併用することにより診断できた. ASVSは侵襲も少なくインスリノーマの診断に有用な手技と考えられる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 43 (11), 977-981, 2000

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (15)*注記

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