死戦期HbA1c高値ドナーからの腎移植後膵移植の1例

  • 坂本 扶美枝
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 黒田 暁生
    徳島大学糖尿病臨床・研究開発センター
  • 川嶋 聡
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 加藤 研
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 植田 江梨子
    大阪大学医学部附属病院移植医療部
  • 高原 充佳
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 宮下 和幸
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 嵩 龍一
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 安田 哲行
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 松岡 孝昭
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 種村 匡弘
    大阪大学大学院医学系研究科消化器外科
  • 伊藤 壽記
    大阪大学大学院医学系研究科消化器外科 大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学
  • 高原 史郎
    大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科
  • 山崎 義光
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 松久 宗英
    徳島大学糖尿病臨床・研究開発センター
  • 金藤 秀明
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
  • 下村 伊一郎
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科

書誌事項

タイトル別名
  • Pancreas after Kidney Transplant from Donor with Elevated Agonal HbA1c: A Case Report
  • 症例報告 死戦期HbA1c高値ドナーからの腎移植後膵移植の1例
  • ショウレイ ホウコク シセンキ HbA1c コウチ ドナー カラ ノ ジンイショク ゴスイイショク ノ 1レイ

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抄録

膵臓移植のドナー適応基準は「糖尿病の既往がないこと」であるが,我々は耐糖能異常が否定できないドナーから腎移植後膵移植を行いインスリンを離脱し得た症例を経験した.症例は30歳代男性.1982年1型糖尿病を発症,2004年より糖尿病腎症のため透析療法を開始.2005年1月膵腎同時移植を申請し登録された.同年9月母親からの生体腎移植を施行.2008年4月5日脳梗塞による蘇生後脳症から2カ月経過後の脳死ドナーから腎移植後膵移植が行われた.ドナーに糖尿病の診断歴はないが脳死判定時のHbA1c(JDS値)は7.3%だった.1日インスリン使用量約60単位から移植1年以上経過後にインスリン離脱まで糖代謝は改善し,腎機能の悪化を認めなかった.本邦での膵移植は欧米と大差ない成績を得ているが,ドナー不足が問題である.このような状況の中で本症例は膵臓移植ドナーの適応基準を拡大する際の可能性を示すものと考えられた.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 54 (6), 417-424, 2011

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (13)*注記

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