リラグルチド投与開始後に味覚障害および角膜障害が出現した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Taste and Corneal Disorder in a Patient Treated with Liraglitide
  • 症例報告 リラグルチド投与開始後に味覚障害および角膜障害が出現した1例
  • ショウレイ ホウコク リラグルチド トウヨ カイシ ゴ ニ ミカク ショウガイ オヨビ カクマク ショウガイ ガ シュツゲン シタ 1レイ

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抄録

71歳,女性.34歳時に2型糖尿病を指摘され,65歳時に強化インスリン療法を開始したが低血糖を頻発し,インスリン量の調整でも血糖値が安定しないため,GLP-1アナログであるリラグルチドへ変更した.開始後,徐々に食欲と食事摂取量が減少し,21日目には味覚障害が出現,甘味とうま味を感じなくなった.また,同時期に眼の異和感も出現し,眼科受診にて両眼の角膜上皮障害を指摘された.リラグルチドによる副作用の可能性を考え中止したところ,中止直後より味覚異常と角膜上皮障害は改善した.本例では,甘味,うま味のみ障害された解離性味覚障害を呈していることより,唾液分泌障害や神経繊維障害は否定的で,リラグルチド投与によるGLP-1受容体の機能障害が疑われた.また,両眼性のびまん性角膜障害を呈していたため薬剤性の可能性が最も考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 57 (12), 893-899, 2014

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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