前立腺膿瘍に黄色ブドウ球菌菌血症,多発性膿瘍を続発した高齢2型糖尿病の1例

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タイトル別名
  • A Case of an Elderly Type 2 Diabetic Patient Who Developed the Prostatic Abscess Followed by <i>Staphylococcus aureus</i> Bacteremia, Multiple Muscle Abscesses and Septic Arthritis

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抄録

<p>糖尿病患者で高率に認める尿路感染症の中でも,前立腺膿瘍は症状に乏しく早期診断,加療が困難であり,また血流豊富な臓器であるため血行性播種を伴いやすい.今回我々は血糖コントロール不良の2型糖尿病を背景に前立腺膿瘍を発症し,早期診断,治療ができず,診断時に既に黄色ブドウ球菌菌血症を伴い,加療開始後に全身の多発性筋膿瘍,化膿性胸鎖関節炎を併発した高齢男性の1例を経験した.14週間に及ぶ長期の抗菌薬加療により軽快したが,高齢,認知症,神経障害などを背景に持つ糖尿病患者の診療においては血糖コントロールを保つだけでなく,軽微な非特異的症状でも感染症の合併を考慮する必要があることを改めて強調したい.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 59 (7), 482-488, 2016

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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