血糖コントロール悪化を契機に診断に至った糖尿病合併原発性虫垂癌の1例

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  • A Case of Primary Appendiceal Carcinoma With Diabetes Mellitus in Which the Deterioration of Glycemic Control Led to its Diagnosis

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抄録

<p>72歳女性.3年前に糖尿病と診断され近医で加療されていたが,4か月前から血糖コントロールの悪化がみられていた.急性気管支炎とHbA1c11.7 %と高値のため入院.血中CA19-9 3226.0 U/mL,CEA 41.3 ng/mLと腫瘍マーカー異常高値を認め腹部エコー,CT,MRCP,胃・大腸内視鏡を施行したが,原因疾患を確定できなかった.強化インスリン療法施行後,インスリンデグルデク/アスパルト配合注とビルダグリプチンにて血糖値は改善した.FDG-PET/CT検査で虫垂癌が疑われ,手術を施行した結果リンパ節転移を伴う虫垂粘液癌と診断された.CA19-9免疫染色で腫瘍細胞が濃染され,術後化学療法施行後に血中CA19-9は正常化した.癌巣内の脂肪細胞がIL-6とTNFαで染色された.癌切除後に血糖低下傾向がみられてインスリンは減量したが,その後もHbA1c6 %台後半で良好に経過した.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 60 (10), 719-725, 2017

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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