低炭水化物食開始に伴う急速なインスリン減量によりケトアシドーシスを発症した1型糖尿病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Type 1 Diabetes Mellitus Associated with Ketoacidosis Triggered by a Rapid Reduction of the Dose of Insulin with the Administration of a Very-low-carbohydrate Diet
  • 症例報告 低炭水化物食開始に伴う急速なインスリン減量によりケトアシドーシスを発症した1型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク テイタンスイカブツショク カイシ ニ トモナウ キュウソク ナ インスリン ゲンリョウ ニ ヨリ ケトアシドーシス オ ハッショウ シタ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は19歳女性.8歳時に1型糖尿病と診断されインスリン治療開始となった.2012年3月(19歳)にはインスリンリスプロ各食直前14~18単位,インスリングラルギン眠前20単位使用下においても,食事量増加のためにHbA1c(NGSP)が15 %と増悪していた.低炭水化物食による食事療法目的にて同年3月から前院に入院し,リスプロ中止,グラルギン眠前4~8単位/日の施行となった.しかし第2病日深夜から嘔吐が出現し,翌朝の血糖値が532 mg/dlにて糖尿病ケトアシドーシスが疑われ,輸液とインスリン持続静注を開始されるも全身状態が改善しないため,前院から当院への転院依頼があり,緊急搬送入院となった.入院後は輸液とインスリン持続静注を強化して改善し,最終的に強化インスリン療法と食事療法の再調整にて退院となった.本症例から,1型糖尿病患者の低炭水化物食開始時にインスリン量を調整する際は,必要インスリン量の注意深い評価が不可欠であると考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 56 (9), 653-659, 2013

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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