化膿性胸鎖関節炎を発症した糖尿病患者の2例

書誌事項

タイトル別名
  • Septic Arthritis in the Sternoclavicular Region in Two Diabetic Patients: A Case Report
  • 症例報告 化膿性胸鎖関節炎を発症した糖尿病患者の2例
  • ショウレイ ホウコク カノウセイ キョウ サ カンセツエン オ ハッショウ シタ トウニョウビョウ カンジャ ノ 2レイ

この論文をさがす

説明

症例1は72歳男性.20年来の糖尿病歴が有り,血糖コントロールは不良であった.1週間前から左胸鎖関節部の疼痛と発熱が出現し,入院時同部位の疼痛は著明であり,頸部CTで左胸鎖関節炎及び関節周囲膿瘍と診断された.膿瘍穿刺と抗菌薬投与により症状は改善した.症例2は55歳男性.15年来の糖尿病歴が有り,2年前に糖尿病性壊疽により左第V趾が切断されていた.前日から右胸鎖関節部の疼痛と発熱が出現し,入院時同部位の疼痛は著明であり,頸部MRIで右胸鎖関節炎と診断された.保存的加療で増悪した症状は,再検したMRIで認められた膿瘍部の穿刺により改善した.化膿性胸鎖関節炎は糖尿病患者に合併することがあるが,その症状が非特異的であることから,診断の遅れにより骨髄炎や縦隔炎などを併発し重篤化することがある.糖尿病患者で原因不明の胸鎖関節部周辺の疼痛を認めた場合には,化膿性胸鎖関節炎の可能性を念頭に置く必要がある.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (1), 27-33, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ