血清LDHアイソザイム1型が異常高値を持続した胆嚢癌の一例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Gallbladder Carcinoma with Sustaining High Levels of Serum Lactate Dehydrogenase Isozyme 1
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説明
一般に悪性腫瘍患者の乳酸脱水素酵素 (LDH: EC 1. 1. 1. 27)アイソザイムは, LDH-Mサブユニットの産生増加により, LDH-5型優位のパタ-ンを示すといわれている。しかし, きわめてわずかではあるが, 悪性腫瘍によるLDH-1型偏倚の報告もある。<BR>今回われわれは, 血清LDH-1活性が持続的に異常高値 (総LDH活性値>1×104IU/l, LDH-1>50%)を示した, 肝転移を伴った胆東癌の一症例を経験した。<BR>剖検により得た肝転移巣およびリンパ節転移巣の組織ホモジネイト上清のLDHアイソザイムでは, 血清と同様にLDH-1型の異常増加 (LDH-1>50%) が認められた。一方, 本症例においては, 心筋障害, 赤血球異常など, LDH-1増加をきたし得る他の臨床的所見は全く認められなかった。<BR>したがって本症例における血清LDHの異常は, 腫瘍組織によるLDH-Hサブユニットの過剰産生によるものと思われた。
収録刊行物
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- Japanese Journal of Clinical Chemistry
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Japanese Journal of Clinical Chemistry 20 (3), 162-167, 1991
一般社団法人 日本臨床化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204909708928
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- NII論文ID
- 130003358016
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- ISSN
- 21874077
- 03705633
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可