グループワーキング,管理レベルを活用した医療事故報告制度の改善

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タイトル別名
  • Improved Incident/accident Reporting System by Group-working Analysis and Originally Developed Management Scores
  • グループワーキング カンリ レベル オ カツヨウ シタ イリョウ ジコ ホウコク セイド ノ カイゼン

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説明

近年, 医療事故に対する国民の関心は高まり, 厚生労働省の指導もより厳密になってきた。事故報告への対応と分析は重要だが, 事例を的確・迅速に処理するだけでなく, その効果を客観的に評価する方法も確立されていない。当院では事故報告制度を改変し, 独自の管理レベルを導入することで一定の成果をあげており, 報告する。<br> 従来の事故報告制度は, 各部署からの事故報告書を5人のリスクマネージャーが分担して評価・分析し, 重要事例のみを委員会に報告する体制であった。この方法は少数のエキスパートにより専門的な解析を行なえるが, 一般職員へ安全管理意識を広める点からは不適切だった。このため, 事故報告書の一次評価・分析を部署ごとのチームリーダーに委ね, さらにリーダーがその報告を持ち寄って, グループワーキングを行ない, 問題案件のみを委員会に上げるシステムに変更した。さらに一般的な事故のリスクレベルに加え, 当院独自の管理レベルを導入した。これは事故報告を管理・対応の緊急性・内容から層別化したもので, 3段階に分けた。<br> 新たに導入した部署ごとに一次完結する事故報告システムは, 事故報告から対応までの責任を明確にし, 一般職員の安全管理意識を高め, 広めていく上で有効だった。管理レベルは事故の内容・リスクレベルによらず, 何時, どのような対応が必要なのかを考えられ, 事例ごとの評価だけでなく, 病院全体の安全管理の成果を評価する指標になりうる可能性が示された。

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