<b>漢方治療にて症状著明改善も内視鏡的改善のなかった標準治療抵抗性びらん性</b><b>胃食道逆流症の1例</b>

  • 高村 光幸
    三重大学附属病院漢方外来(麻酔科)
  • 横地 歩
    三重大学附属病院麻酔科ペインクリニック
  • 丸山 一男
    三重大学附属病院漢方外来(麻酔科) 三重大学附属病院麻酔科ペインクリニック

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Kampo Medicine Treatment Successfully Improved Symptoms of Proton Pump Inhibitor-Resistant Gastroesophageal Reflux Disease while Poor Endoscopic Findings Remained : A Case </b><b>Report</b>
  • 臨床報告 漢方治療にて症状著明改善も内視鏡的改善のなかった標準治療抵抗性びらん性胃食道逆流症の1例
  • リンショウ ホウコク カンポウ チリョウ ニテ ショウジョウ チョメイ カイゼン モ ナイシキョウテキ カイゼン ノ ナカッタ ヒョウジュン チリョウ テイコウセイビランセイ イ ショクドウ ギャクリュウショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は,標準量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用しても,おくび,夜間悪化する咽頭痛・背部痛が持続したPPI 抵抗性胃食道逆流症(GERD)の72歳男性。茯苓飲開始後,速やかに諸症状改善したためPPI を自己中止したが,夜間症状再燃。このため眠前に半夏瀉心湯5g を追加後,症状は軽快し,処方医師許可にてPPI 中止可能となった。しかし上部消化管内視鏡では,ロサンゼルス分類Grade D と粘膜所見不良であったため,半夏瀉心湯を7.5 g 分3に増量,眠前に黄連解毒湯5g 追加した。以降の自覚症状は消失も,通院中の内視鏡再検はできなかった。 ガイドラインでPPI 抵抗性GERD に追加投与を推奨されている六君子湯以外の処方もGERD 治療に有効な可能性を示せた。一方で,GERD の内視鏡所見と自覚症状が相関しないのは一般的だが,合併症予防目的での漢方薬による治療エンドポイント決定に関して議論の余地があると思われた。</p>

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