中山間地における高齢者の消化器がんに対する内服による外来化学療法

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タイトル別名
  • Chemotherapy for Gastrointestinal Cancer in Elderly Outpatients in Mountainous Area
  • ナカヤマ カンチ ニ オケル コウレイシャ ノ ショウカキ ガン ニ タイスル ナイフク ニ ヨル ガイライ カガク リョウホウ

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抄録

当院は愛知県豊田市北東部を診療圏とする中山間地に位置し,高齢化率が約34%となり年々増加しつつある。自家用車を持たない高齢者も多く,病院への交通手段も限られ,週1,2回のコミュニティーバス以外の交通手段しかない地域も多いため検診受診や病院受診抑制の原因となっている。その結果,消化器がんは進行した状態や切除不能な状態でみつかることもまれでない。そのため,比較的元気に実生活を送っている高齢者に対しては進行および切除不能,再発消化器がんに対して化学療法を考慮すべき症例も時々経験する。当院では,2005年4月から2010年6月までの約5年間に進行,切除不能,再発の消化器がんに対し開腹術 (試験開腹も含む) を行なった70歳以上の高齢者のうち認知症にて充分なインフォームドコンセントのとれない症例や全身状態の良好でない症例を除いた25例に対しS-1単独療法を行なった。その結果,高齢者に対するS-1単独療法は通常の年齢層へのS-1療法を中心とした化学療法や他の化学療法と比べ症例数が少ないため単純に比較はできないが,疾患によっては比較的良好な結果を得ることができている。そのため当院では内服であるS-1単独療法を高齢者にとってQOLを考えた消化器がんに対する化学療法のひとつと位置づけ施行している。

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