秋田県南部の一地域に暮らす石綿関連業務経験者の実態調査  ――暴露後の経過と健康不安――

  • 南部 泰士
    平鹿総合病院保健福祉活動室 秋田県農村医学研究所 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 桐原 優子
    平鹿総合病院保健福祉活動室 秋田県農村医学研究所
  • 月澤 恵子
    平鹿総合病院保健福祉活動室 秋田県農村医学研究所
  • 今野谷 美名子
    平鹿総合病院保健福祉活動室 秋田県農村医学研究所
  • 木村 啓二
    平鹿総合病院第二内科 秋田県農村医学研究所
  • 林 雅人
    平鹿総合病院第二内科 秋田県農村医学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Survey of One-time Asbestos Workers in Southern Part of Akita Prefecture --Health Status after Exposures and Fear of Lung Cancer--
  • アキタケン ナンブ ノ イチ チイキ ニ クラス イシワタ カンレン ギョウム ケイケンシャ ノ ジッタイ チョウサ バクロ ゴ ノ ケイカ ト ケンコウ フアン
  • Survey of One-time Asbestos Workers in Southern Part of Akita Prefecture
  • ——Health Status after Exposures and Fear of Lung Cancer——
  • ——暴露後の経過と健康不安——

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抄録

秋田県南部の一地域に暮らす石綿検診受診者の石綿関連業務経験後から現在までの経過を明らかにし,今後の情報提供・保健指導等の支援につなげることを目的に調査を行なった。石綿関連業務従事期間は平均11.1±2.12年,従事後平均29.8±4.64年が経過していた。石綿関連業務従事時,暴露予防のための個人対策は研究対象者10名全員が行なっておらず,職場講習による暴露予防の教育もされていなかった。石綿検診を受診した経緯は,新聞などのマスメディアを通して自ら情報を得たのがきっかけであった。石綿健康管理手帳交付のための条件は手帳を所持していない者5名が知らなかった。日常の健康不安は「いつ発症するかわからない」「長期に管理しなければならない精神的負担が大きい」「石綿といわれても症状が無いからわからない」等であった。全国的に石綿労働災害認定数や悪性中皮腫が増加しており,受診者と長期にわたる関わりから健康不安を軽減するためには,1.救済制度などの法律に熟知し個々の受診者に適応する,2.長期にわたる関わりから受診者の健康課題を追跡し,QOLが維持できる支援を行なう,3.研究活動を続け社会的に公表し,救済に結びつくよう医療者としての責任を果たす支援が重要であることが示唆された。

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

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