泌尿器科開腹術後感染防止に対するクローズドレーンの有用性―術後感染防止に対する看護師の役割の考察を含めて―

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of Closed Drainage for Prevention of Postoperative Genitourinary Tract Infections: With Reference to Roles Nurses Should Play in Prophylaxis
  • ヒニョウキカ カイフク ジュツゴ カンセン ボウシ ニ タイスル クローズドレーン ノ ユウヨウセイ ジュツゴ カンセン ボウシ ニ タイスル カンゴシ ノ ヤクワリ ノ コウサツ オ フクメテ
  • With Reference to Roles Nurses Should Play in Prophylaxis
  • ――術後感染防止に対する看護師の役割の考察を含めて――

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説明

今回私達は, 泌尿器科術後のオープンドレーンとクローズドレーン使用患者に対して, 感染の発生頻度と術後回復に関しての比較検討を行なった。検定方法はMann-WhitneyのU検定を用いた。<BR> 対象はオープンドレーン群(A群)=2001年5月~10月までの14名(平均年齢:66.3歳), クローズドレーン群(B群)=2001年12月~2002年5月までの14名(平均年齢:64.9歳)とした(NS)。<BR> A群では14名中6名(42.8%)の患者より, ガーゼあるいはドレーンの細菌培養から表皮ブドウ球菌・腸球菌・MRSAが検出されたが, B群では全員細菌陰性で有意差が認められた(p<0.01)。抗生剤投与期間については, A群では7~42日(平均:24.5日)使用していたのに対し, B群では4~11日(平均:6.1日)と短縮し, ドレーン抜去日についてもA群では5~28日目(平均:14.4日)で抜去しているのに対し, B群では2~8日目(平均:5.5日)で抜去していた(p<0.01)。またガーゼ交換日数もA群では10~31日(平均:19.1日)施行していたのに対し, B群では3~10日(平均:7.9日)で有意差が認められた(p<0.01)。このように, 各調査内容に関してもオープンドレーン群に比べクローズドレーン群の方がより短期間であった。<BR> 食事・睡眠・排泄・活動についても感染の発生によってオープンドレーン群の方に諸々の障害を認めた。泌尿器科開腹術後のドレナージ方法をオープン式からクローズ式に変更したことにより, 術後感染が減少し, 患者の術後回復にも良好な結果を得ることが出来た。

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参考文献 (19)*注記

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