がん患者における食事摂取支援食導入による効果

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タイトル別名
  • Impact of Meals for Nutritional Support in Patients with Cancer
  • ガン カンジャ ニ オケル ショクジ セッシュ シエンショク ドウニュウ ニ ヨル コウカ

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説明

がん治療中の患者は抗がん剤治療,放射線治療等の有害事象により,食欲不振をきたす場合が多く,食事摂取における支援が必要となってくる。当院は2011年12月より,がん治療患者のQOL維持向上,治療の完遂を目的に食事摂取支援食として,「ぼっちり食」を考案し運用してきた。本研究では,がん治療時の食事摂取量の増加を目的に支援食を開発,導入した「ぼっちり食」の有効性について検討した。ぼっちり食の提供基準は,がん治療中に3日間の平均摂取栄養量が必要栄養量の2分の1以下に低下した患者を対象とした。食事提供時間2時間前までオーダーを可能とし,患者の希望に応じて温度や量の調整を行なった。調査項目は,年齢,性別,主病名,抗がん剤治療の有無,放射線治療の有無,ぼっちり食期間,注文回数,ぼっちり食導入前平均摂取エネルギー量,ぼっちり食導入後平均摂取エネルギー量,ぼっちり食喫食率,副食の喫食率とした。ぼっちり食提供前の平均摂取エネルギー量は226.6±14.8kcalに対して,提供後の平均摂取エネルギー量が294.1±15.3kcalと増加しており,ぼっちり食及び副食の喫食率とぼっちり食導入後の摂取エネルギー量にかなり強い正の相関が認められた。以上の結果から,「ぼっちり食」は有用な食事摂取支援食となることが示唆された。

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