院内トリアージ導入後の経過と今後の課題

書誌事項

タイトル別名
  • Progress and Future Challenges after Introducing an In-Hospital Triage System with the Use of the Japan Triage and Acuity Scale
  • 看護研究報告 院内トリアージ導入後の経過と今後の課題
  • カンゴ ケンキュウ ホウコク インナイ トリアージ ドウニュウ ゴ ノ ケイカ ト コンゴ ノ カダイ

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抄録

地域の中核病院である秋田県厚生連由利組合総合病院(以後当院)の2014年度の救急外来受診患者数は約14,000人,土日・祝祭日のウォークイン患者数は約7,800人である。待合室が混雑している状況で速やかに患者の状態を把握,評価し緊急度の高い患者を迅速に診察につなげる事を目的に,2014年4 月から土日・祝祭日のウォークイン患者を対象に院内トリアージを導入。さらに,2015年4 月からは,質の標準化に向けて緊急度判定支援システム(JTAS)を導入した。今後の課題を明確にするためトリアージを実施した7,454名のトリアージ用紙を分析,検証した結果,導入直後は実施率88%,用紙記載不備93件,アンダートリアージ13件,オーバートリアージ18件で症状や主訴のみで判断しフィジカルアセスメントを活用した緊急度判定が出来ていなかった。分析結果を一覧表でスタッフへ提示,アンダートリアージ症例を検証,毎月の学習会でフィードバックを行なった。導入から1 年後には実施率95%へ上昇,用紙記載不備は12件と減少,アンダートリアージ9 件,オーバートリアージ21件であった。バイタルサインや受傷機転など患者の全体像から緊急度判定できている症例が増加し,JTAS 活用による標準化された緊急度判定が定着した。JTAS の活用は緊急度判定の標準化につながり,アンダートリアージ症例の検証,継続的な学習会はトリアージの質の向上と,トリアージナースのスキルアップにつながった。

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