直腸膀胱窩の腹腔外孤立性転移再発を治癒切除しえた上行結腸癌の1例

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  • A Case of Curative Resection of Recurrent Solitary Tumor to Rectovesical Extraperitoneum from Ascending Colon Cancer

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上行結腸癌術後,直腸膀胱窩の腹腔外組織への孤立性転移再発に対し根治的切除を行い,長期間無再発生存がえられた1例を経験した.症例は68歳の男性で,平成13年4月に上行結腸癌に対し結腸右半側切除術が施行された.腫瘍マーカーが高値となってきたため平成15年10月に精査が施行された.骨盤部CTで精嚢の背側の直腸壁に接し16 mmの腫瘤が指摘され,生検で直腸粘膜下層に高分化型腺癌を認めた.手術は低位前方切除術を施行した.直腸膀胱窩の腹膜には異常を認めなかった.腫瘍はRbで直腸壁に浸潤していた.病理組織学的にも病変部は粘膜下層から直腸壁外にあり,粘膜層には浸潤を認めず直腸膀胱窩の腹腔外への孤立性転移と診断した.再発に対する手術を施行し5年以上たった現在も再発の徴候を認めていない.骨盤腔内の孤立性腹膜外再発はまれで,これまで長期無再発生存の報告はなく,文献的考察を含め報告する.

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