多発小腸穿孔により小腸大量切除を要した結節性多発動脈炎の1例

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  • Polyarthritis Nodosa Requiring a Subtotal Resection of the Small Intestine for Multiple Intestinal Perforations

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抄録

<p> 症例は38歳の女性で,発熱・腹痛を主訴に当院に入院した.上部消化管内視鏡検査で食道潰瘍,下部消化管内視鏡検査で回腸末端に多発縦走潰瘍を認めた.入院中に腹痛・腹部膨隆が増悪し,CTでfree airを認めたため緊急手術を行った.開腹すると小腸全域に穿孔が多発していたため,小腸大量切除を行った.切除標本では小腸に径2~5 mmの無数の裂溝状の潰瘍を認め,数10か所以上で穿孔していた.病理組織学的に潰瘍部に出血・壊死,好中球を主体とする炎症性細胞浸潤,動脈壁のフィブリン壊死を示す血管炎を認め,結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa;以下,PNと略記)と診断した.術後5年の現在,在宅中心静脈栄養を行いながら通常の社会生活を送っている.PNの消化管病変は小腸に最も多く,腸管の壊死・多発穿孔により急性腹症を呈することが多いことに注意すべきである.</p>

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