Breath-by-breathによるガス交換測定法における問題点の検討

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タイトル別名
  • THE PROBLEMS RELATED TO BREATH-BY-BREATH MEASUREMENT OF RESPIRATORY GAS EXCHANGE
  • Breath by breath ニ ヨル ガス コウカン ソクテイホウ ニ

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運動時のガス交換応答を調べるために, breathby-breathによるガス交換測定装置の試作を行ない, その問題点について検討した.また, 汎用のマイクロコンピューターで複合的な運動負荷信号と呼吸信号の関連を調べることが可能となった.既製の装置が有する利点, 問題点を総合的に検討し, 呼吸信号のセンサーと演算処理に改良を加えた結果, 本装置の演算処理値はダグラスバッグ法による測定値と高い相関を示した.今回の方法において生じた誤差について検討した結果, 以下の点が明らかになった.<BR>1) 容量測定の誤差要因には, 流速信号の直線性, 安定性, 雑音と周波数応答, 呼吸気ガスの成分および温度, 水蒸気凝縮量子化誤差, 呼吸バルブの漏れが挙げられる.ニューモタコグラフの上流側の形状, 圧力導管に改良を加え, 信号のべースライン・ドリフト補償, 雑音除去処理を行なった.この結果, 流速積分値は校正容量に対して±1.74%の再現性誤差を示した.<BR>2) ガス濃度信号の誤差要因は, 精度, 安定性, 雑音, 輸送遅れ時間, 応答時間, 水蒸気濃度が考えられた.特に応答補償における問題点が明らかになり, 輸送遅れ時間を過大評価してガス交換値の過少評価を相殺したが, 信号の忠実度補正が必要とされた.<BR>3) A/D変換における量子化誤差をシミュレーション信号で調べ, ±0.97%以内の振幅量子化誤差が示された.<BR>4) 流速信号ベースラインのゆらぎ, 雑音, 不規則呼吸と呼吸認識閾値の関連を検討し, 呼吸認識の誤差を防いだ.<BR>5) 呼吸バルブの有効死腔量を一回換気量の程度に応じて補正した結果, ガス交換値の誤差の減少が明らかになった.<BR>6) シミュレーション信号の入力により, 測定装置の誤差や計算式の検討をしたが, 測定信号に対する擬似信号の問題点が示された.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 34 (2), 75-90, 1985

    一般社団法人日本体力医学会

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